2010年12月31日金曜日

俳句1

輪廻かな椿の落ちる音に覚め

死ねるのに生きられないの薄紅葉

昨日は一文字せせり見たし

酒だけはやめられません七回忌

秋雷誰かを置いてきてしまい

君を吸う蚊にもなりたき夕べかな

熱帯夜君を溶接し溶接し

平日限定の男を蹴ってみた

大向日葵元気ないねと目を合わせ

抱擁のふたり黄色い残暑かな

向き合わぬふたり雷雨の駅舎にて

剥細く駆け出ひとよ鎌倉の雨

自慰の床台風なかなかやって来ず

母と子の紡がれていてライラック

リラ薫る母なるものの誕生す

爽秋の満員電車乗り慣れず

そぞろ寒メールメール電話メール

つがいの蜻蛉の空中停止

君の文を添削したき秋の宵

障子張る愛の内訳問われつつ

野分立つ消えてしまうにはでかすぎ

十六夜のみち一方通行(いっつう)ですよここ

コスモスを踏み分け星と僕の陣

休日の南瓜切るときいつも怖い

ほらここにほらここにいるよちゃんと見て

秋雨や子供みたいになきむせぶ

目の前はあなたの鼻ねハイヒール

ハイヒールkissの高さに富士額

ハイヒール道に落ちてる愛を刺し

サフランのあたたかくただあたたかく

独白や味も香りもサフランの

恋人のサフラン山分けす

サフランになろうねというプロポーズ

秋雷や肌を鉤裂く君の棘

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