2010年12月31日金曜日

俳句2

左手で熱燗酌みて恋の果て

マフラーの君に習いし結びかな

逆光の山茶花の下むせび泣く

真冬日やむしろ艶やかになる私

君想うほかにすることなく冬至

ゆく年を拍手で送ってみたくなり

虎落笛四の五の言わずただ歩く

狐火を纏いしおんな傾斜して

煤もまた存在であり煤払

注連張って娘十四の反抗期

現実をぽっとり包む葛湯かな

不倫も熟せば葱汁

薪ストーブ話ほどよく中断す

四十年ぶりに日記を買っちゃった

挨拶も賀状も要らぬ友逝けり

懐手して口許を見物す

終戦日より
開戦日
大人なんだし

無造作に蜜柑むぎゅむぎゅするものなり

ショール巻き我の形を確かめり

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