左手で熱燗酌みて恋の果て
マフラーの君に習いし結びかな
逆光の山茶花の下むせび泣く
真冬日やむしろ艶やかになる私
君想うほかにすることなく冬至
ゆく年を拍手で送ってみたくなり
虎落笛四の五の言わずただ歩く
狐火を纏いしおんな傾斜して
煤もまた存在であり煤払
注連張って娘十四の反抗期
現実をぽっとり包む葛湯かな
不倫も熟せば葱汁
薪ストーブ話ほどよく中断す
四十年ぶりに日記を買っちゃった
挨拶も賀状も要らぬ友逝けり
懐手して口許を見物す
終戦日より
開戦日
大人なんだし
無造作に蜜柑むぎゅむぎゅするものなり
ショール巻き我の形を確かめり
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