2010年12月31日金曜日

ビジネスマナー講座3 目的編①


  ●仲良しになるための武器

そもそもビジネスマナーは何のために必要なのか。その目的について触れておきたい。
ふつうマナーというのは、人の領域にずけずけ入り込まない、
距離を一定に保つためにあるものだが、
ビジネスマナーは必ずしもそうではない。
ひたすら品行方正でお行儀よく、四角四面ならいいわけではない。
距離を縮めて仲良くなり、初(う)い奴とかわいがられたり、
あるいは同格のパートナーとしてリスペクトされ認められること、
これらをビジネスのひとつの目標ととらえ、ビジネスマナーはそれに貢献する武器と心得たい。

第一回で「了解」は好ましくないと書いたが、仕事を何度かしてきて、飲んだり食ったりもし、
じゅうぶんに仲良しであれば、「了解しました」でもいいのだ。
「了解しました!」と!をつけたっていいし、「りょーかい!」だっていい、
それこそ「ラジャ」だっていいし、
「合点承知」「合点承知の助」など、その仕事が請け負えてうれしくてしょうがないみたいな、
弾んだカンジがあってスコブルよい。
こんな言葉を使えるなら、たいがいの失敗も許される間柄のはずで、
クライアントとそういう間柄であることは、ビジネスとして非常に価値が高い。
しかし、そうカンタンにそんな関係が築けるはずもない。どれだけの年月やプロセスが必要か、
気が遠くなるが、このプロセスをどう踏むかが問題なのだ。
冒頭に言った、距離を一定に保つことばかりに腐心していては、
何年経っても自然に縮まった範囲にとどまる。これではもったいない。
スキあらば、と言っては変な表現だが、ふだんびしっとしたマナーを守り礼節を持ちつつ、
近づけるチャンスが来たらがんがん行く。
時に不用意にやりすぎて、やっべ、フレンドリーに過ぎたかと感じたら、退く。その繰り返し。
異性を口説くときと一緒だな(どうもたとえが下世話だ)。

ビジネスマナーを解説するホームページはあまたあるが、目的を説くサイトはない。
初歩的で最低限のことととらえているからだろうが、小学校の道徳じゃないんだし、
そのとらえ方では物事を見間違うと小職は思う。
なぜならば、ビジネスと言ってる以上、お金に向かっていないといけないからで、
あの人は礼儀正しいねえ、紳士だねえという評を集めても、でもおかしくもなんともないねえ、
ものを頼むときは違う人にしようねえ、ではビジネスマナーにおける失敗ととらえるべきだからだ。
礼儀正しく、マナーの心得が十分なことでかえって、
印象に残らない無個性で地味な人になってはいけないのだ。

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